株主の皆さまへ

タイヤの海外販売が好調で、営業利益が57%増に

冨永靖雄(左)、南雲忠信
南雲忠信
売上高は過去最高に
当期の連結決算は、営業利益が前期比57.2%増の331億円となり大幅な増益となりました。売上高も同10.9%増の5,514億円で過去最高です。タイヤ、MB事業ともに売り上げを伸ばしましたが、特にタイヤの海外販売が好調で、原材料価格の高騰や流通コストを中心とする販管費の増加を吸収しました。ユーロを中心に為替相場が円安に推移したことも増益に寄与しています。一方、経常利益は前期比25.3%増の252億円でした。期末に向けて進行した円高により、外貨建債権の回収・換算差損を計上したため増益幅が縮小しています。当期純利益は同28.7%増の211億円でした。投資有価証券評価損が発生しましたが、経常利益の増加に加え、北米子会社の収益改善などに伴う税効果があり増益となりました。当期末の配当については期末配当を一株当たり7円とし、中間配当6円と合わせて年13円とする予定です。年間では前年度に比べ一株当たり1円の増配です。

原材料高と円高で、次期は増収減益
2017年度に売上高1兆円、営業利益1,000億円をめざす新中期経営計画「グランドデザイン100(GD100)」を2006年度からスタートさせました。 そして、その第一ステップであるフェーズⅠの2008年度目標として売上高5,600億円、営業利益350億円を掲げてきました。 しかし、原材料価格のさらなる上昇と為替の円高傾向が予想され、2008年度の連結売上高は前期比2.5%増の 5,650億円、営業利益は同21.5%減の260億円、経常利益は同10.6%減の225億円、当期純利益は同38.3%減の130億円となる見通しです。 残念ながら営業利益はフェーズⅠの目標を下回る見込みです。 配当については中間配当を一株当たり6円、期末配当を一株当たり7円、年間で一株当たり13円を予定しています。

タイヤ、MB事業の重点課題
新たに設定した2008年度の目標を確実に達成するとともに、2009年度から始まるGD100のフェーズⅡへつなげるため、引き続き以下の課題に重点的に取り組みます。

<タイヤ事業>
国内外での値上げの浸透
高付加価値商品の強化
グローバル化の推進
生産能力の拡大


<MB事業>
国内外での値上げの浸透
生産能力の拡大
新規商品の取り組み
ゴルフ用品の拡販

コスト削減と同時に値上げを推進
原材料高騰の影響は過去5年間で約565億円にのぼり、現在も天然ゴムに加え、合成ゴムなどの石化系原料の価格上昇が続いています。 こうしたコストアップを内部改善のみで吸収することは難しく、タイヤ、MB事業ともにコスト削減を継続する一方で、値上げの浸透を図っています。

省燃費性をさらに高めた「DNA Earth-1」発売
高付加価値商品の販売強化として、オレンジオイル配合のコンパウンドを採用し、ワンランク上の省燃費性を実現した「DNA Earth-1(ディーエヌエー・アースワン)」を今春に発売しました。 高い省燃費性能を幅広いユーザーに実感していただくため、全70サイズを展開しています。2008年度の販売目標は100万本です。

「ADVAN」を世界のプレミアムカーに装着
また、グローバル・フラッグシップ・ブランド「ADVAN(アドバン)」の世界展開にも引き続き力を入れます。 今春はメルセデス・ベンツの最上級シリーズ「C63 AMG」に新車装着を決めたほか、「フォルクスワーゲン トゥアレグ」にも採用されました。今後も世界のプレミアムカーへの装着を進め、「ADVAN」の海外での知名度をさらに高めていきます。

タイとブラジルでタイヤの販売強化
グローバル化の推進では、タイとブラジルにタイヤのマーケティング会社をそれぞれ2月と4月に設立しました。タイヤの需要の伸びが著しい両国で、さらに販売を強化するのが狙いです。

建設車両用タイヤの生産増強を一年前倒し
生産能力の拡大では、建設車両用タイヤを生産している尾道工場の第4次拡張を決定しました。 当初の計画を一年前倒しし、2010年度には同工場の生産能力を2006年度の2.2倍の月産2,500トンに引き上げま す。 また、7月には中国蘇州のトラック・バス用タイヤ工場が生産を開始する予定です。

建設機械用ホースの生産能力を拡大
MB事業でも、建設機械向けのホースの需要が伸びているため、2010年4月までに茨城工場のホースの生産能力を日量9万メートルから10万メートルに引き上げる計画です。 また、平塚製造所で旅客機用化粧室ユニットの生産設備を増設します。 ボーイング向けOEM納入の増加や今後増大する補修需要に対応するのが目的です。

新商品の事業化を推進
MB事業の長期的な成長のため、新商品の開発に力を入れています。 現在、騒音低減効果の高い多孔質弾性舗装や、床ずれ防止の車椅子用エアーセルクッションで事業化を進めています。また、燃料電池用樹脂配管の開発に加え、電子材料分野での新商品開発に取り組んでいます。

ゴルフ用品を拡販
ゴルフ用品は、競技志向のゴルファー向けのドライバー「TR MODEL500」、やさしく大きな飛びを実現する「egg スプーン」などの新商品を下期に次々投入し、順調に販売本数を伸ばしています。

コンプライアンスを強化
昨年度は、マリンホースのカルテルへの関与で公正取引委員会の立ち入り検査を受けました。 今後、このようなことが起きないようコンプライアンスの徹底を図っていきます。 当社では各部門にコンプライアンス推進責任者を選任していますが、彼らを中心に部門内のコミュニケーションを密にしてコンプライアンスの問題発見や解決により迅速に対応できるようにしていきます。 また、社内eラーニングによる社員教育にも力を入れ、不正防止のための管理をさらに強化します。

地域と共生する企業をめざして
GD100で掲げる「トップレベルの環境貢献企業」めざして、国内外の18の生産拠点に約50万本を植樹し、杜を創生する「YOKOHAMA 千年の杜プロジェクト」を昨年スタートさせました。 各工場では従業員に加え、その家族や地域の住民の方々も参加して植樹祭を行っています。 ほかにも、知的障害のある人達の社会参加を応援するNPOを支援するなどさまざまな形で地域との共生を図っています。


こうした課題に取り組みながら、基本方針である「良いモノを、安く、タイムリーに」提供することに力を注ぎ、GD100の目標達成と社会から信頼される企業をめざしてまいります。 株主の皆さまにおかれましては、一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

2008年6月

代表取締役社長
南雲忠信
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