株主の皆さまへ

減収となったものの、大幅な増益を達成
南雲忠信

南雲忠信


営業利益が67.5%増
当期の連結決算は営業利益が前期比67.5%増の215億円、経常利益が同184億円増の187億円、当期純利益が同171億円増の115億円となり、大幅な増益となりました。売上高が前期比9.8%減の4,664億円となったものの、原材料価格が前期に比べ安値で推移したうえ、販管費の削減など内部改善が進んだためです。営業外収支の為替差損が大幅に縮小したことも寄与しました。配当については期末配当を一株当たり6円とし、中間配当4円と合わせ、年間では一株当たり10円といたします。

本年度は増収減益の見通し
2011年3月期の連結決算は景気回復による需要増が見込め、売上高は前期比11.5%増の5,200億円を計画しています。しかし、為替の円高や原材料価格の上昇が予想されることから、営業利益は同16.1%減の180億円、経常利益は同22.6%減の145億円、当期純利益は同30.4%減の80億円を見込んでいます。配当については中間配当を一株当たり4円、期末配当6円とし、年間では一株当たり10円を予定しています。

2011年度に売上高5,500億円、営業利益385億円
当社グループは、2018年3月期に売上高1兆円、営業利益1,000億円、営業利益率10%をめざす中期経営計画「グランドデザイン100」を2007年3月期からスタートさせました。2008年度3月末でフェーズⅠが終了し、現在、2010年3月期から3年間のフェーズⅡに取り組んでいます。フェーズⅡでは「高質な成長」をテーマに、2012年3月期に売上高5,500億円、営業利益385億円、営業利益率7%をめざすほか、3年間で300億円以上のフリーキャッシュフロー創出を図ります。

成長戦略
フェーズⅡの目標達成のため、タイヤ事業は①海外でのプレゼンス向上、②弾力的な生産増強、③グローバルな地域別事業体制の強化─が課題です。海外でのプレゼンス向上のため、省燃費タイヤの展開に力を入れていますが、今期はアジア市場で省燃費性に優れるDNA earth-1の販売を開始する計画です。日本でも本年7月に環境性能を進化させた大型新商品のBlueEarth AE-01を投入する予定で、国内外で低燃費タイヤの拡販を強化します。
 生産増強では現在、中国の杭州工場の第4期拡張とロシアでの工場建設に加え、日本の新城南工場でも生産能力の拡大を進めています。これらの生産増強により、2012年3月期に横浜ゴムのタイヤの生産能力は現在の5,449万本から5,859万本に拡大する計画です。
 MB事業は、①成長分野(ホース、コンベヤベルト、マリンホース、防舷材など)のグローバル展開、②環境分野を軸とする新規事業開拓─が課題です。成長分野のグローバル展開では、当期に米国で自動車のパワーステアリングホースを手がけるYHアメリカの生産能力を増強し、同ホースで米国トップメーカーになりました。また、欧州で成長分野製品の販売強化を図るため、2009年4月にドイツにマーケティング会社を設立しましたが、現在、他の地域でも同様なマーケティング拠点の設立を検討しています。
 新規事業の開拓についても着実に成果を上げ、本年4月に燃料電池自動車に水素を充填するディスペンサー用ホース向けとして、貯蔵圧力70MPaの車両に対応した高圧水素ガス用ホースを発表しました。夏には介護用床ずれ防止クッションの発売も予定しています。

技術戦略
技術開発の課題は、環境への負荷低減と、「良いモノを、安く、タイムリーに」をさらに徹底することです。環境負荷低減の最近の取り組みとして、タイヤの新インナーライナー「AIRTEX advanced liner」の採用商品の拡大を計画しています。同商品はタイヤの空気圧低下を従来品より抑制することができ、タイヤの燃費悪化防止に役立ちます。
 また、本年5月にタイに自前の天然ゴム加工工場が完成し、需要増により迅速に対応できるようになりました。同工場の稼動で、品質的にバラツキの少ない天然ゴムを安定的に調達できるほか、タイヤの品質向上のための技術力強化がさらに図れるようになります。

経営基盤の強化
経営基盤の強化は、国内事業の構造改革、コスト競争力の強化、CSR経営の徹底が課題です。国内事業の構造改革ではMB事業の国内市場での競争力強化と経営効率の向上のため、本年10月に本社国内販売部門と販売会社8社を統合し、新たに横浜ゴムMBジャパン(株)を設立します。コスト競争力の強化では従業員参加型のムダ取り活動により、この4年間で約340億円の改善効果を生み出しました。
 CSR経営については環境保全活動に力を入れ、国内外の18生産拠点に約50万本を植樹する「YOKOHAMA 千年の杜」プロフェクトや低燃費タイヤ「DNA」シリーズの販売拡大などに取り組んでいます。

2010年6月

代表取締役社長
南雲忠信
トップへ