事業の概況-タイヤ事業


日本以外のアジア
中国が15%を越える販売増
新興国を中心に上期からタイヤ需要の回復が鮮明となり、横浜ゴムも乗用車用タイヤが牽引し前期を上回る販売本数となりました。主力市場の中国は前期比15%を越える販売増でした。需要の回復を追い風に、大手卸売会社の新規開拓や取引量の拡大を図る一方、ヨコハマタイヤをメインに取り扱う小売店を着実に増やしたことが寄与しています。中国以外でもインド、韓国、タイ、フィリピンが10%以上の伸長率でした。インドはヨコハマタイヤを取り扱う小売店を大幅に増やしたためで、韓国はタイヤ専門大手チェーン店との取引量拡大が寄与しています。タイでは2008年5月に設立した販売会社が本格的に販路開拓や営業活動を進めました。フィリピンはさまざまな販売促進策や地道な営業努力により販売本数を伸ばしています。



Ice GUARD TRIPLE IG30
ヨコハマタイヤを扱う中国の契約小売店

今期も新興国を中心に販売拡大
今期も新興国を中心にさらに需要が拡大すると見込み、販売増を計画しています。拡販の要として近年、ヨコハマタイヤをメインに売る小売店網「ヨコハマクラブ・ネットワーク」の展開に力を入れていますが、来期はその店舗数の拡大をさらに加速させます。新商品はハイパフォーマンスを中心に投入し、ブランドイメージのアップを重視した販促活動を展開します。そのため、2009年にストリートスポーツタイヤ「ADVAN NEOVA AD08」、高い省燃費性を誇る「DNA Earth-1」を発売したのに続き、2010年には横浜ゴム最高峰のコンフォートタイヤ「ADVAN dB」を発売する予定です。また、オフィシャルタイヤを供給するマカオグランプリをターゲットにしたキャンペーンの実施や、各国で開催されるモーターショーに積極的に出展するなど、認知度アップとスポーツイメージの強化にも引き続き力を入れていきます。

FIA世界ツーリングカー選手権最終戦
2009年11月にマカオグランプリと同時開催されたFIA世界ツーリングカー選手権最終戦の模様。両レースとも横浜ゴムがオフィシャルタイヤを供給している

中国とタイで生産増強
中国とタイではさらなる生産増強を計画しています。中国は2009年に米国を抜いて初めて世界最大の自動車生産国となり、今後も成長が続くと予想されています。タイヤ市場も大きな伸びが期待され、2012年3月期中に杭州の乗用車用タイヤ工場を現在の年間生産能力300万本から510万本に引き上げることを決めました。また、タイの乗用車・ライトトラック用タイヤ工場でも年間生産能力を140万本増強し、2012年3月期中に400万本まで引き上げます。同工場はタイ国内のほか、日本や中国を除くアジアや欧米に広く輸出しており、欧米や新興国の市場で乗用車向けを中心にタイヤの需要拡大が見込まれることに対応します。

タイの天然ゴム加工工場が稼動
タイ南部のスラタニ県に天然ゴム加工工場が完成し、2010年5月に月産生産能力3,000トンで操業を開始しました。非石油系資源である天然ゴムの需要は年々増加しており、自社系列の加工工場を運営することで、品質の良い天然ゴムの安定供給を図ります。また、バラツキの少ない高精度な天然ゴム加工方法の蓄積、天然ゴムの使用比率を高めた高性能タイヤ開発などさまざまなメリットが期待できます。

タイの天然ゴムの加工工場。2010年5月から生産を開始した

欧州
需要減のなか、ロシアが牽引し販売増に
経済の悪化から、同地域の市販用タイヤ需要は低迷し、特にこれまで大きな成長を続けてきた東欧・ロシアで大幅な減少となりました。こうしたなか、横浜ゴムは西欧・東欧での販売が微減となったものの、ロシアで20%超える販売増を達成したことが寄与し、前期を上回る販売本数を達成しました。

積極的な新商品の投入で、今期も販売拡大
今期は南欧の経済環境の不透明さはあるものの、徐々に販売が改善してきており、欧州全般で需要の回復を見込んでいます。横浜ゴムは積極的に新商品を展開することで、今期も販売増をめざします。当期に欧州の主力商品であるdriveシリーズから、コンフォート系「C.drive」の後継として、よりウエット性能を高めた「C.drive2」を発売しており、今期は同商品のサイズ拡大を進め、ボリュームゾーンで積極的に販売拡大をめざします。また、ブランドイメージと認知度アップを図るため、環境に配慮した商品を充実させていきます。当期にヨコハマタイヤで最高レベルの省燃費性を誇る「dB super E-spec」を投入したのに続き、今期も新たな省燃費タイヤを上市する予定です。さらにロシアでは同国市場のメインである冬用タイヤの新商品も投入する予定で、大幅な販売増を狙います。
 トラック・バス用タイヤについても環境対応商品として、当期に省燃費や耐摩耗性に優れる「ZEN」シリーズを発売しました。今期は同シリーズを主軸とした販売活動を行うほか、リトレッドタイヤの技術に定評のあるイタリアのマランゴーニ社との提携を進め、拡販とブランドイメージアップに努めます。また、2010年4月からドイツのEDC(欧州中央倉庫)が本格稼動しており、納期短縮などカスタマー・サービスの向上による販売増や、在庫削減によるコストダウンが期待できます。



スタッドタイヤの新商品 C.drive2
上: ロシアに投入するスタッドタイヤの新商品
下: C.drive2は「C.drive」の後継品。乗り心地や静粛性はそのままに、よりウエット性能を高めている

その他の地域
中近東
タイヤの需要回復に合わせて供給量を拡大したことで、下期から販売が大幅に伸びました。しかし、原油価格高騰による好景気で前期の販売が高水準だったため、当期の販売本数は前期を下回りました。
 今期はさらに需要が拡大すると見込み、販売増を計画しています。湾岸諸国で耐熱性を強化した特別仕様のA.driveを発売する予定で、同商品を軸に販売活動を展開していきます。


SUV用タイヤのGEOLANDARシリーズからオールテレーン用のA/T-S、オフロード性能を高めたM/T+を提供した
湾岸諸国向けに耐熱性を強化した特別仕様のA.drive

大洋州
カーメーカーの減産を受け新車用タイヤの販売が落ち込んだことが主因で、販売本数は前期を下回りました。市販用はSUV用の「GEOLANDAR」シリーズの販売が好調でしたが、トラック・バス用タイヤの販売が低迷しました。
 今期は自動車生産の回復が見込め、新車用タイヤを中心に販売増の計画です。また、自系列販路のTyres & Moreを着実に増やすほか、新商品の投入でトラック・バス用タイヤの拡販を図り、販売増につなげます。

中南米
中南米の販売本数は前期を下回りました。ブラジルは現地通貨高や供給量拡大で販売を伸ばしましたが、輸入規制を実施したアルゼンチンで販売量が大幅に減少したことが響きました。
 今期は大幅な販売増を計画しています。好調な経済を背景に需要増が見込めるブラジルで供給量を増やすほか、アルゼンチンでは当期に投入したスタッドレスタイヤの販売に力を入れます。また販売力をつけてきた各国代理店の商品ラインナップを拡充していき、販売増につなげます。特に建設機械用タイヤについては、中南米専門の営業担当を新たに雇い、販売強化を図っていきます。

アフリカ
横浜ゴムのアフリカでのメイン市場は南アフリカですが、現地通貨ランドの急落が影響し同国での販売本数は前期を下回りました。しかし、2009年にアンチダンピング関税の廃止されたエジプトの再開拓に力を入れ、同国への販売本数が大幅に増加しています。また、未取引国の開拓に力を入れ、セネガル、マダガスカルなど着実に新規取引国の数を増やしました。
 今期は主力の南アフリカでワールドカップ特需や為替の改善により需要喚起が期待できるほか、南アフリカに次ぐ市場として注目しているエジプトでの拡販が期待できます。
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