社長メッセージ

代表取締役社長 野地彦旬

代表取締役社長 野地彦旬:個性と文化を備えたグローバル企業を目指して

代表取締役社長 野地彦旬

2017年度に第2グループのトップ集団へ

現在、当社は売上高ベースで世界第8位のタイヤメーカーです。トップ3社を第1グループとすると、第2グループの中で後ろの存在になってしまっていますが、創業100周年となる2017年度には第2グループで先頭集団の企業になりたいと思っています。そのためには世界市場で認められる独自の存在感を確立することが不可欠であり、旺盛な需要に対応できる供給力の増強と他社の追随を許さない技術力の強化に取り組んでいます。
その指針となるのが2006年度にスタートした中期経営計画「GD100(グランドデザイン100)」であり、2012年度から3カ年計画でPhase Ⅲに取り組んでいます。Phase Ⅲでは成長戦略の大きな柱として、タイヤ事業では「大規模な生産能力の増強」と「高付加価値商品のグローバル展開」、MB事業では「新たなナンバーワン商品を目指す」と「新規ビジネスチャンスの創出・拡大」を掲げています。

タイヤ生産能力の拡大を着々と進行

タイヤ事業の「大規模な生産能力の増強」では、Phase Ⅲの3年間合計で1,400億円というこれまでにない新規増産投資を計画しています。現在、乗用車用タイヤではフィリピンやロシアの増強に加え、インドに新工場を建設中です。また、トラック・バス用タイヤではタイ工場の増強を図っているほか、本年4月、米国に新工場を建設することを決定しました。こうした活動により、PhaseⅢ最終年度となる2014年度には年間生産能力を2011年度比735万本増の6,670万本、2017年度には8,600万本まで高める計画です。

小さく生んで大きく育てる

当社は市場に限りなく近い場所で生産を行う地産地消をポリシーとしています。そこで大きな武器となるのは当社独自の小規模で進出し、需要の拡大に合わせて柔軟に生産能力を上げていく手法です。私は「小さく生んで大きく育てる」と呼んでいますが、この投資リスクを軽減し、スピーディに現地生産が行える手法のおかげでロシアやベトナムに日系タイヤメーカーとして初めて進出することができました。ロシアは良い成功例のひとつで、2011年度末の操業当初は年産70万本でしたが、現在は160万本体制に向けて拡張中で、今後さらなる増強を計画しています。

代表取締役社長 野地彦旬

「YOKOHAMA」をグローバルブランドへ

「高付加価値商品のグローバル展開」の大きな目的は「YOKOHAMA」の名前をグローバルで高めることです。その先陣となるのは「ADVAN」をはじめ、低燃費タイヤ、ウィンタータイヤ、SUV用タイヤの4つの高性能タイヤブランドの世界展開です。また、商品展開と合わせて世界有数のプレミアムカーへの新車装着活動を強化しています。
特に注力しているのは、生産台数は少ないながらも全世界で圧倒的なブランド力を誇る超高性能車への装着です。このような車両は当社のように高い技術力があり、さらに小ロット生産に対応できる企業こそ強みが発揮できます。超一流のプレミアムカーの厳しい要求性能に応えることで技術力の向上を図るとともに、「YOKOHAMA」のグローバルでの認知度と信頼感を高めていきます。

トラック・バス用、OR用タイヤ事業も強化

世界的に需要が旺盛なトラック・バス用タイヤ、建設車両用(OR)タイヤも「YOKOHAMA」の世界地位を高めるうえで重要な事業です。トラック・バス用タイヤは環境特化型商品や超偏平タイヤなど高機能商品の投入を進めていますが、さらなる成長にはサービス力の強化が不可欠です。
特に成熟国では商品だけでなく、安全運行やコスト削減を実現するための運用指導やタイヤデータ管理などのサポートが重要になっています。当社はリトレッドタイヤでも高い評価を得ていますので、今後は高品質な商品提供、きめ細かなサポート、そしてリトレッドタイヤの活用などをパッケージ化したフルサポート体制を確立していきます。
ORタイヤでは49インチ超のラジアルタイヤの増産を進めています。現在、49インチ超を生産できるメーカーは世界に数社しかなく、鉱物資源開発市場においても確固たる存在感を示していきたいと思っています。

MB事業の海外売上高比率を50%へ

MB事業の「新たなナンバーワン商品を目指す」の主力となるのは、成長市場である電子・電機分野でのシェア拡大です。そのため、LED用封止材やタッチパネル用ハードコート材など多くの新商品を開発するとともに、韓国や中国メーカーなど国外メーカーへの売り込みを強化しています。また、すでに高いシェアを誇る高圧ホースや空気式防舷材などの事業強化を図り、中国でホース工場の建設をスタートしたほか、シンガポールに工業品販売会社を設立しました。
「ビジネスチャンスの創出、拡大」では通信・センサー技術を活用した商品開発を進めています。洋上荷役の安全性を高める2船体間挙動監視システムは国際的な注目も高く、世界初のプロジェクトへの採用が検討されています(P13参照)。こうした商品開発力と供給・販売力の両面を強化し、2017年度にはMB事業の海外売上高比率を2012年度の33%から50%に引き上げる計画です。

コーポレートガバナンスとCSRを強化

グローバル企業として成長するに伴い、コーポレートガバナンスやCSRはより重要性を増しています。これに対する意識や行動が統一されていない企業はひとつにまとまることができず、世界中で共通の品質やサービスを提供することはできません。
そこで当社では、世界の全拠点を対象としたグローバル・コンプライアンス・ミーティング、グローバル生産会議、グローバル環境会議などを定期的に開催して情報の共有を図るとともに、システム化された共通ルールづくりを進めています。2012年度に国連のグローバル・コンパクトに署名しましたが(P22参照)、これもCSRにおける行動原則を定めるための一環として行ったものです。

個性と文化を備えたタイヤメーカーに

私は横浜ゴムを「個性と文化を備えたグローバル企業」にしたいと考えています。当社はメーカーですので、市場に対して個性を訴えるものは、やはり商品です。そこでは何よりも品質が大切です。さらに個性を強調するために必要なものは、新しいコンセプトや価値の提案です。「ADVAN」は超一流の走りという提案で成長したブランドですが、これまでになかった商品、または誰もが欲しいと思っていた商品を作る、この姿勢がきらりと光る個性を育てていくと思います。
また、文化とは「横浜ゴムが好きだ」「横浜ゴムが無くては困る」と思ってもらえる企業になることです。文化は継続によって培われるものであり、モータースポーツ活動などはその一例です。例えば、当社は中国で絶大な人気を誇るマカオグランプリを30年以上サポートしていますが、今や「マカオグランプリと言えば横浜ゴム」と認識されるまでになり、多くのファンに愛されるようになりました。ひとつの文化を作った証だと思います。当社の個性と文化をしっかりと醸成し、世界で認められるグローバル企業として成長していきます。

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