アニュアルレポート2015

CSR特集:コミュニティへの参画およびコミュニティの発展への取組み

「コミュニティへの参画及びコミュニティの発展」への取り組み

地元主体の活動へと変化しつつある

岩手県大槌町での「いのちを守る森の防潮堤」づくり

壮大なプロジェクトの一環横浜ゴムは岩手県大槌町で植樹支援活動に取り組んでいます。活動を開始したきっかけは2011年3月11日に起きた東日本大震災でした。地震とその後に起きた巨大津波によって東北地方太平洋沿岸は壊滅的な打撃を受けました。震災後、横浜ゴムグループの植樹活動を指導する宮脇昭横浜国立大学名誉教授は、東北地方太平洋沿岸300キロに渡り、植樹によって「いのちを守る森の防潮堤」を作るプランを提唱しました。宮脇氏の考えに賛同した横浜ゴムは、植樹モデル地区のひとつに選ばれた大槌町での植樹を支援することにしました。第1回目の植樹会は、横浜ゴム主催によって2012年4月に開催しました。幅15メートル、長さ50メートルの植樹マウンドに、総勢約540名で約3,400本の苗木を植樹しました。以来、植樹会は横浜ゴム主催で毎年春1回開催しており、2015年も第4回目の植樹会を5月に行いました。

地元住民の皆様の意識も変化植樹支援活動を開始して以来4年目を迎え、地元住民の皆様の意識も変わりつつあります。活動スタート当初、活動は横浜ゴム主導の形となり、地域住民の皆様からの協力は得づらい状態が続きました。しかし「復興を担う次世代の人たちに参加してもらいたい」という強い思いがあり、横浜ゴムでは大槌町の教育委員会などに植樹会への参加を呼び掛けました。この結果、2014年から大槌小学校4年生の1年間に渡る特別授業に環境教育の一環として「植樹」が組み入れられることが決まり、以来、育苗教室、植樹体験、宮脇昭氏を招いての勉強会などが開かれるようになりました。

子供たちの参加者も増えた第3回目の植樹会(2014年4月)
子供たちの参加者も増えた第3回目の植樹会(2014年4月)

地域の発展をいかに支援していくかが課題横浜ゴムは会社主催の植樹会を2015年で終了する予定です。今年の植樹会で300メートルに延びた植樹マウンドの8割で植樹が終了し、残りのスペースは植樹を通じての環境教育の場として利用していただく考えです。すでに決まっている大槌小学校に加え、現在、大槌中学校にも利用を呼び掛けています。また、今後は地元ボランティアの育成が課題となっています。育樹には水やりや除草などのメンテナンスが必要で、現在も月1回の割合で横浜ゴムから担当者が大槌町を訪れています。今後、従業員ボランティアを募りメンテナンスを継続する予定ですが、地元の協力者が欠かせないと考えています。

大槌町の活動を通じて私たちの意識も変わった

大槌町の支援活動は横浜ゴムにとって初の長期間に渡る地域貢献活動です。活動を通じて私たちの意識も変わりました。実際に大槌町に出かけ、住民の皆様と一緒に植樹を体験した従業員が増えるにつれ、大槌町で得たノウハウを他の活動に生かしたいと考える従業員が増えました。当社では2012年から「社会貢献分科会」をスタートし、従業員のボランティアを中心とした社会貢献活動を支援してきました。今後はマッチングギフト制度の導入など、従業員と会社の一体感をさらに高めた活動の推進を検討してまいります。

鈴木一朗 CSR・環境推進室室長
鈴木一朗
CSR・環境推進室室長

自然との共存を目指し社会の仕組み自体を変革

中国雲南省での生態保護活動支援

自然を破壊することなく生計を立てる方法を探る中国雲南省麗江老山君にある河源村はおよそ2,000人からなる少数民族の村です。厳しい自然環境にあるため農作物による収入が少なく、村人の生活は長く森の伐採や野生動物の捕殺などに頼ってきました。
こうした状況を解決するため、2010年に中国の環境NGO「北京三生環境発展研究院」が提唱したのが「河源コミュニティでの持続可能な発展と生態保護プロジェクト」です。自然破壊を行わなくとも村人が生活の糧を得られるよう、村の社会・経済の仕組みを抜本的に変革しようというユニークなプランでした。横浜ゴムの中国の事業統括会社である優科豪馬橡胶有限公司はこのプランに賛同し、2011年の活動開始以来支援を続けています。

村民懇談会後の記念写真(2014年7月)
村民懇談会後の記念写真(2014年7月)

足掛け4年に渡るプロジェクト河源村での生態保護プロジェクトは、例えるならば「人に魚を与え」「釣りを教え」「魚の売り方を支援する」という段階を踏んで進められました。
まず2011年、村の経済形態を森林伐採から農畜産物生産に変更するための資金援助を行う「村バンク」を設立。同時に村人に農畜産物生産の研修を行う「自然生態産業共同組合」を設立しました。続いて2012年には、経済形態変更により一時的に収入が減少し、子供の教育費が負担となる家庭を支援する「生態助学(教育支援)」を実施。さらに2013年には養蜂設備など農畜産物の加工に必要な設備の導入を行ってきました。そして2014年には村で生産された蜂蜜や薬草を販売する組織として「生態農林製品販売プラットフォーム」を立ち上げました。

村民懇談会後の記念写真(2014年7月)
優科豪馬橡胶有限公司のトップや従業員が現地を訪れて開催した農畜産物の販売組織「生態農林製品販売プラットフォーム」の設立式(2014年7月)

節目ごとに資金援助、設備寄贈を継続4年に渡って進められたこのプロジェクトを、優科豪馬橡胶有限公司はその節目ごとで資金援助や設備寄贈を行って支援してきました。養蜂設備の寄贈式、販売プラットフォームの設立式などには優科豪馬橡胶有限公司の経営トップや従業員が現地を訪れ、実際に顔を合わせることで村人との交流を深めてきました。
 優科豪馬橡胶有限公司による河源村での生態保護プロジェクトは中国でも高く評価され、2013年には北京で開催された環境イベント「2013年度:美しい中国」で「最優良企業イメージ賞」も受賞しました。

世界でも数少ない活動を支援できて光栄

2014年に「生態農林製品販売プラットフォーム」が設立され、河源村での生態保全と経済発展は、より自立的に運営できるようになりました。このプロジェクトは長い時間を掛けて村の仕組み自体を変革しようというものです。その点、一度切りの寄付で終了するものではなく、継続的で地道な支援が必要でした。河源村のプロジェクトは世界でもあまり例を見ないものだと思います。このプロジェクトに参加できたことを光栄に感じています。

近藤 成俊 優科豪馬橡胶有限公司董事長兼総経理
近藤 成俊
優科豪馬橡胶有限公司董事長兼総経理

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