2014 WTCC Round 9&10 Preview

【FIA世界ツーリングカー選手権 第9&10戦/ザルツブルグリンク (オーストリア)】

[Preview] 直近3レースはYOKOHAMAトロフィー勢が制しているコース、
何が起こるか予想がつかないのがザルツブルグリンク!!

WTCC Austria

開催日 2014年5月24日-25日
開催場所 ザルツブルグリンク
(オーストリア)
コース距離 4,241m
決勝予定周回数 12周×2レース
2014 WTCC 第9&10戦 プレビュー

2012年から3年連続で、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)の舞台となっているザルツブルグリンクでこの週末に第9&10戦が開催される。

前戦のスロバキアでは、2005年から10シーズン目を迎えているWTCC史上、初めてとなる決勝レース中止という事態になったが、この“水入り”はシリーズを戦う各選手やチームに何らかの影響を与えるのだろうか。

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シリーズランキングを見ると、開幕戦を制したホセ・マリア・ロペス選手(シトロエン)がリーダーの座をしっかり守っている。
そしてトップ3は今季から参戦するシトロエンが独占するかたちとなっているが、スロバキアを終えて2番手と3番手に入れ替わりが生じた。セバスチャン・ローブ選手が赤旗終了となった第7戦で優勝、一方のイヴァン・ミューラー選手(右写真)は同レースでジャンプスタートペナルティを受けたことから後退し、10位という奮わない結果にとどまっている。
補正ウェイトは変わらずシトロエン勢のみにプラス60kgが課せられるが、ここまでの戦いを見る限りでは大きな影響も無さそうで、予選から決勝を通じて速さを見せ続けている。

しかし、ザルツブルグリンクでの過去2大会/4戦を振り返ってみると、実に興味深いリザルト(結果)が残されていることに気づく。
初開催の初レースとなった2012年の第1レースこそ、当時圧倒的な強さを見せていたシボレーのマニュファクチャラー勢が表彰台を独占したが、第2レースでは最後の最後でまさかの大逆転劇が演じられてステファノ・ディアステ選手が初の総合優勝を飾った。さらに翌年はミシェル・ニュケア選手とジェームス・ナッシュ選手が総合優勝。
つまり、直近3レース全てでYOKOHAMAトロフィー勢が総合優勝を獲得しているのだ。

もっとも、今季は新車両規定導入により、YOKOHAMAトロフィー対象となるTC2クラスは、パフォーマンス的にTC1車両との格差が大きい。ゆえに総合優勝へのハードルはかなり高いというのが現実的なところだが、何が起こるかわからないのもザルツブルグリンクならではの見どころとなる。


新しい18インチタイヤのパフォーマンス、試金石となるザルツブルグリンク!!

“何が起こるかわからない”と記したザルツブルグリンクだが、特に2012年の第2レースはヨコハマタイヤのエンジニアにとって忘れらない一戦として記憶されている。

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コース図を見ると単調にも思えるレイアウトなのだが、実は高速区間となるストレートをつないでいる両端のターンには、大きめのバンクがつけられている。

このバンクがなかなかの曲者で、タイヤに対して縦方向に大きな負荷がかかるのだ。さらに路面も滑りやすいため、タイヤに対するシビアリティはWTCCが開催されるコースの中でも随一と言えるものがある。
初年度は各チームもデータを有していないためにハプニングが連続する結果となったが、昨年は各チームともタイヤマネージメントも巧みになっている。

では昨年なぜYOKOHAMAトロフィー勢が連勝したかというと、予選で順当に上位を獲得していたマニュファクチャラー勢のほとんどにペナルティが科せられ、グリッド降格処分となったことも要因のひとつ。そして第2レースはリバースグリッドとなるため、必然的にここでもYOKOHAMAトロフィー勢が上位グリッドからスタートに臨んでいたのだ。

レイアウト的にパッシングポイントはターン1と最終ターン。ゆえにあまりに後方グリッドからのスタートとなると、さすがのマニュファクチャラー勢でも限られた周回数の中では挽回するのも難しくなる。
だからこそ予選結果は重要になり、かつリバースグリッドとなる第2レースの展開に注目だ。


TV ONAIR

第9&10戦・オーストリアの模様は、テレビ大阪で5月30日(金)の25時25分~25時40分、BSジャパンで6月1日(日)の9時15分~9時30分に、それぞれダイジェストが放送されます。こちらもぜひ、お見逃し無く!!



【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第8戦終了時点)】

順位 クラス No. ドライバー 車 両 ポイント
1 TC1 37 ホセ・マリア・ロペス シトロエン・C-エリーゼ WTCC 138
2 TC1 9 セバスチャン・ローブ シトロエン・C-エリーゼ WTCC 113
3 TC1 1 イヴァン・ミューラー シトロエン・C-エリーゼ WTCC 109
4 TC1 18 ティアゴ・モンテイロ ホンダ・シビック WTCC 71
5 TC1 2 ガブリエレ・タルクィーニ ホンダ・シビック WTCC 52
6 TC1 7 ヒューゴ・ヴァレンテ シボレーRML・クルーズ TC1 47
7 TC1 10 ジャンニ・モルビデリ シボレーRML・クルーズ TC1 46
8 TC1 3 トム・チルトン シボレーRML・クルーズ TC1 46
9 TC1 5 ノルベルト・ミケリス ホンダ・シビック WTCC 40
10 TC1 4 トム・コロネル シボレーRML・クルーズ TC1 28
11 TC1 25 メルディ・ベナニ ホンダ・シビック WTCC 26
12 TC1 98 ドゥサン・ボルコビッチ シボレーRML・クルーズ TC1 15
13 TC1 12 ロブ・ハフ ラーダ・グランタ 1.6T 12
14 TC1 14 ミハイル・コズロフスキー ラーダ・グランタ 1.6T 10
15 TC2T 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 6
16 TC2T 27 ジョン・フィリッピ セアト・レオン WTCC 4
17 TC2T 8 パスカーレ・デ・サバチーノ BMW 320TC 2
18 TC1 11 ジェームス・トンプソン ラーダ・グランタ 1.6T 2

【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第8戦終了時点)】

順位 クラス No. ドライバー 車 両 ポイント
1 TC2T 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 75
2 TC2T 8 パスカーレ・デ・サバチーノ BMW 320TC 55
3 TC2T 27 ジョン・フィリッピ セアト・レオン WTCC 38
4 TC2T 27 ペトル・フーリン セアト・レオン WTCC 10
5 TCN 99 谷口 行規 ホンダ・シビック S2000 TC 10

CIRCUIT

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■ザルツブルグリンク

レッドブルリンク(旧・A1リンク)と並ぶ、オーストリアを代表する大規模なサーキットコースがザルツブルグリンク。モーツアルト生誕の地としても知られるザルツブルグ市の東、およそ15kmに位置している。 コースそのものは1968年に築かれ、これまでにどちらかというと2輪の国際レースなどが多く開催されてきた経緯がある。ゆえに4輪のレースファンよりも、モーターサイクルスポーツファンの方に広く知られた存在と言えるだろう。 コースマップを見ると、独特の“ひょろ長い”レイアウトが特徴的。2本のストレートをヘアピンでつないだようなコースであるが、この両端部にあるターン1と最終ターンが曲者で、ともに大きなバンクがつけられている。タイヤに対しては縦の荷重が強くかかることから、如何にスムーズに過度な負担をかけずにコーナーリングしていくかも重要なポイントだ。 全長は4,241m、レコードタイムは昨年の予選でイヴァン・ミューラー選手(シボレー)がマークした1分25秒756(平均車速 178.03kph)。決勝ファステストラップもミューラー選手の1分26秒875(平均車速 175.74kph)となる。