2019 Nürburgring 24 Hours Race Report

【ニュルブルクリンク24時間レース / ドイツ】

KONDO RACINGがクラスシングルポジションを獲得、
RACING PROJECT BANDOH with NOVELも揃って完走!!

Nürburgring 24 Hours Race

開催日 2019年6月20日-23日
開催場所 ニュルブルクリンク・北コース
(ドイツ)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝時間 24時間
(1周=25,378m)
参加台数 160台
(ヨコハマタイヤ装着車 9台)
Nürburgring 24 Hours Race

2019年のニュルブルクリンク24時間レースの決勝が、6月22日から23日にかけて開催された。47回目を迎えた今大会には世界各国から160台が集結し、6月20日の練習走行から、1周25.378kmの山岳コースを舞台に激しいタイム争いを展開。その中でSP9クラスに出場した横浜ゴムがサポートする4台も、序盤から素晴らしいパフォーマンスを披露した。

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まず、ニュルブルクリンク24時間レースに初挑戦となるKONDO RACINGの日産・GT-R Nismo GT3(トム・コロネル選手/高星明誠選手/藤井誠暢選手/松田次生選手)が雨に祟られた6月20日(木)のフリー走行で9番手につけると、5月の予選レースを制したWalkenhorst Motorsportの101号車・BMW M6 GT3(クリスチャン・クログネス選手/デイビッド・ピタール選手/ルーカス・オルドネス選手/ニコラス・イェロリー選手)が同日夕刻、ウェットからドライへと路面が変化した1回目の予選で10番手につけていた。

21日(金)の予選2回目ではRACING PROJECT BANDOH with NOVELのレクサス・RC F GT3(ドミニク・ファーンバッハー選手/吉本大樹選手/マルコ・シーフレイド選手/ミハエル・ティシュナー選手)が奮起、1回目の予選と2回目の予選を統合した結果、同チームがヨコハマタイヤ勢の最上位となる23番手につけるものの、決勝の上位グリッドを決めるトップ予選に進出できずに、予選の最終リザルトは32番手に留まった。

一方、Walkenhorst Motorsportの101号車・BMW M6 GT3ならびに同チームの100号車・BMW M6 GT3(ヘンリー・ワーケンホルスト選手/アンドレアス・ジーグラー選手/インマヌエル・フィンケ選手/ジョルダン・トレッソン選手)、そして、KONDO RACINGは予選レースや3戦を消化したここまでのVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)で好成績を収めていたことから、すでにトップ予選の進出を決めていた。しかし惜しくもトップ予選でタイムは伸びずに、Walkenhorst Motorsportの101号車がマークした13番手がヨコハマタイヤ勢の最上位。以下、KONDO RACINGが25番手、Walkenhorst Motorsportの100号車・BMW M6 GT3が26番手で予選を終えることなった。

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予選から一夜明けた6月22日(土)の15時30分、真夏のような空の下で24時間レースの決勝が幕を開けると、ヨコハマタイヤ勢が抜群のパフォーマンスを披露。なかでも目覚しい飛躍を遂げたのが、13番手からスタートしたWalkenhorst Motorsportの101号車だった。101号車は持ち前のスプリント能力とファーストスティントを早めに切り上げる巧みなピット戦略でポジションアップに成功。スタートから約1時間後には4番手まで浮上した。

それだけに以降のトップ争いにも期待されていたが、予想外のハプニングが発生する。なんとスタートから約1時間30分後の10周目に、ジャンプの着地でマシンを破損。ダメージが酷く、そのまま101号車はリタイアを決断することになってしまった。

さらに負の連鎖が続くかのように、28番手から着実にポジションを上げていたWalkenhorst Motorsportの100号車もスタートから10時間後となる26日の1時30分にオイルに乗り上げてコースアウト。マシンを修復できずにリタイアすることとなった。

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その一方、安定した走りを見せていたのが、KONDO RACINGだった。25番手からスタートするとノーミス、ノートラブルでラップを消化。スタートから10時間30分後には16番手まで浮上すると、その後も数多くの脱落するマシンを尻目にラップを積み重ねていった。

その結果、日本車としては最上位となる総合10位で完走。最高峰のSP9クラスでは9位となり、初挑戦でシングルフィニッシュを達成した。

同じく日本からのチャレンジャーとして注目を集めていたRACING PROJECT BANDOH with NOVELは、レース序盤にピットレーンでの他車との接触でサイドステップとマフラーを破損したほか、給油中に燃料が吹き返すなど燃料系のトラブルが発生。それでも粘り強い走りで18番手までポジションを上げていたのだが、音量規制の制限を超えたことから、スタートから12時間後にピットイン、マフラー交換を強いられることとなった。

それに合わせてブレーキパッドとローターを交換したほか、燃料系のトラブルの原因になっていた燃料タンクのメンテナンスを実施。これにより約2時間のロスを強いられ、上位争いからは一歩後退。それでも粘り強い走りでチェッカーを受け、総合42位、SP9クラス19位で完走を果たした。

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また、 SP9クラスのFIA-GT3マシンのみならず、そのほかのクラスでもヨコハマタイヤ勢が活躍を見せた。Manheller Racingの162号車・BMW E30が総合77位、V2Tクラス優勝を獲得、325号車のBMW・325iも総合87位でSP4クラスを制覇。さらに、MRC RaceWorldのBMW・325iが総合71位でV4クラスの2位、142号車のBMW・M3も総合96位でV5クラスの4位につけ、13号車のダッジ・バイパーCCも総合100位でATクラス3位完走を果たした。

なお、ニュルブルクリンク24時間レースで注目を集める名物マシン、AvDのオペル・マンタも古くからのヨコハマタイヤユーザー。今回は他車との接触クラッシュから長時間のピットにおける修復作業を強いられて完走こそ果たせなかったものの、特に修復されてコースへ復帰した時などには23万人の観客から大きな声援を集めた。

※表記の順位は6月28日現在の暫定結果に基づきます。

TEAM VOICE

近藤真彦 監督 [KONDO RACING]

【今回の成績 : SP9クラス 9位】
本当にパーフェクトな週末で、全てが完璧に進みました。ノーミス、ノートラブルで掴んだこのリザルトは、メーカーとドライバー、そしてメカニックなど全てのスタッフに支えられた結果です。初めての挑戦でしたが、何度もミーティングを行ったおかげで、とてもスムーズな戦いができました。ニュルブルクリンク24時間レースは3年計画ですが、その1年目としては、素晴らしいファーストステップになったと思います。

高星明誠 選手 [KONDO RACING]

【今回の成績 : SP9クラス 9位】
話に聞いた以上にタフなレースというのがニュルブルクリンク24時間レースの印象です。完走が目標だったし、ノーミスでシングルに入れたことは良かったですが、それ以上を目指すためには、“コード60 (アクシデント等が発生した区間に設けられる速度制限)”など、独自のルールの運用の仕方など、まだまだ経験不足であることが分かりました。トップ5に入るような地元のチームは本当にレベルが高い。2020年は地元チームと戦えるように、この経験を活かしたいと思います。

坂東正敬 監督 [RACING PROJECT BANDOH with NOVEL]

【今回の成績 : SP9クラス 19位】
悔しいリザルトになりました。ピットレーンでぶつけられてサイドステップとマフラーを破損したことは別にしても、燃料タンクによる給油のトラブルは防げたはずなので、もっと事前に準備をしておけば良かった。今回はドライバーやメカニックを含めて日本人とドイツ人の混合チームでしたが、想定外のことが多いレースでした。それだけに、ヨコハマタイヤユーザーとして初挑戦でシングルに入ったKONDO RACINGさんは素晴らしかったと思います。

ENGINEER VOICE

藤代秀一 [横浜ゴム MST開発部 技術開発1グループリーダー]

SUPER GTのように車種別のタイヤ開発は行っていませんが、BMW・M6 GT3、日産・GT-R Nismo GT3、レクサス・RC F GT3の3車種に対応するために、ドライ用のタイヤで4種類を持ち込みました。

決勝のコンディションにタイヤは合っていたと思っており、特にWalkenhorst Motorsportの101号車・BMW・M6 GT3は、チームの戦略もあって序盤で一気に4番手まで浮上。100号車を含めて、リタイアは残念ですが、スピードも十分に見せられたと思います。

またKONDO RACINGの日産・GT-R Nismo GT3は、ライバル車両が次々に脱落するなか、初挑戦の24時間レースをノートラブルで走り抜いた。総合10位は期待以上のリザルトで、2020年に繋がる一戦となったと思います。RACING PROJECT BANDOH with NOVELのレクサス・RC F GT3はプロアマなので上位争いは難しいし、細かいトラブルもありましたが、きちんと完走したので、この経験を今後のレース活動に活かせるでしょう。

タイヤ開発という点でも、2台の完走で多くのデータを収集することができました。多くの収穫があったので、これらのデータを活かしてVLNの後半戦やシーズンオフ、来年のVLN前半戦をうまく利用し24時間レースに向けた開発を行いたいと思います。