社長メッセージ
CSRは、グローバルの舞台で「心と技術をこめたモノづくりにより、幸せと豊かさに貢献」していくために不可欠なもの。一人一人が高い意識を持ち、持続可能な社会づくりに貢献します。

この度の東日本大震災によって被災されました皆さまに対し、心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を衷心よりお祈りいたします。

モノづくりを通じて幸せと豊かさに貢献する

2011年6月、新たに代表取締役社長に就任いたしました。重責を引き受けた以上、これまで受け継がれてきた「バトン」をしっかりと受け取り、未来へつないでいかなくてはならないと、決意を新たにしているところです。
もちろん、「心と技術をこめたモノづくりにより、幸せと豊かさに貢献します」という企業理念に揺らぎはありません。横浜ゴムグループの最大の強みは、何よりもまず、エコタイヤを先駆けて発売するなどの、他社にはないユニークな商品を生み出してきた先見性や企画力、そして技術力。「幸せと豊かさへの貢献」のために、その強みを今後も受け継ぎ、さらに拡大していきたいと考えています。
一方で、生み出した商品の良さをお客さまに広く伝えていく、世の中に対して説明していくという点においては、まだまだ弱い部分があるのも事実です。今後、さらなる事業のグローバル化を進めるにあたり、世界に向けて発信できるコミュニケーション力の拡充を図る必要があると強く感じています。
私は入社以来、モータースポーツタイヤを開発する仕事に携わり、レースの転戦で海外各地を飛び回った経験があります。その中で、世界には文化や宗教、経済状況、そしてものの考え方も私たちとはまったく異なる、実に多様な人々が暮らしていることを実感させられました。その「違い」が当然の前提としてあり、互いに理解し合うための努力をする。このような姿勢が、今後ますます求められるようになっていくのではないかと思います。

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ISO26000は国際社会への「ライセンス」

2010年11月には、組織の社会的責任についての国際規格であるISO26000が発行されました。今後、この規格と真摯に向き合っていくことは、国際社会において企業が高い信頼を得るために不可欠な「ライセンス」となっていくと考えています。その認識のもと、ISO26000が定める人権や労働慣行など、7つの中核主題を当社に当てはめて再検討し、改めて「横浜ゴムグループの重点課題」と位置づけました。今後は重点課題を軸に、持続可能な社会の構築に貢献するための取り組みを進めていく予定です。
例えば、「環境」の分野においては、今夏に予測されている電力不足への対応もあり、電気使用量25%削減を目標とした節電計画の作成・実施を打ち出しました。重油から天然ガスへの切り替えなど、より環境負荷の低いエネルギー源への転換についても、これまで進めていた中長期的な設備投資計画を前倒しする形で進めています。私たちの主力商品であるタイヤは、石油なしには製造することができません。それだけに、可能な限り少ない原材料、少ないエネルギー消費での製造を目指すことが、私たちの使命です。その実現には、現在の取り組みを積み重ねて生まれる「改善」、現状の延長線からは外れた目標を立てて達成する「改革」、そしてさらに考え方を変えてみる「革命」という三つのステップが存在すると考えています。
そして、変化を生み出すためにはそこにかかわる一人一人が常に高い問題意識を持ち、難しい課題にさらされ続ける状況に「追い込まれる」ことも重要だと思います。その中から生まれたブレークスルーこそが、これらの重点課題の解決につながっていく。状況が人を動かし、成長させていくのです。

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一人一人の能力を最大限に引き出せる会社に

私はまず何よりも、従業員やその家族が「ここで働いていて良かった」と思える、そしてそれぞれの能力を最大限に引き出せる会社づくりを目指したいと考えています。重要なのは、上から「あれをやれ、これをやれ」と命じるのではなく、従業員それぞれが「今、何が必要か」を考え、提案し、行動できる環境をつくっていくこと。これまでの経験からも、現場の力を引き出していくことこそが、リーダーの最大の役目だと実感しています。今年3月の東日本大震災の際にも、リーダーにとって重要なのは、危機の際にどう行動するかではなく、危機に際したときに従業員一人一人が自分で考えて行動できる、その環境を普段から整えておくことだと再認識しました。マニュアルでは対応しきれない、個人の「判断」が必要な状況で、従業員が自分でその判断を下せるようにしておくことが、重要な危機管理の一つなのだと思います。
もちろん、今後のさらなるグローバル化に対応するための人材育成も重要な課題です。人は、新たな環境に身を置くことで成長するとの観点からも、人事異動のローテーションを早め、多くの人材に海外拠点を体験してもらうなどの取り組みも検討しています。
また、多様な人材活用の観点から特に力を入れているのが、障がい者雇用についてです。現在1.8%を目指している障がい者雇用率をさらに引き上げ、横浜ゴムグループで2%以上にしていきたいと考えています。そのためには、絶対に「けがをしない」「事故が起こらない」職場環境の整備が必須となりますが、それは障害を持たない従業員にとっても「働きやすい」環境にほかなりません。そして、このような環境の整備が、業務の効率化はもちろん、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた新たな商品の開発にもつながっていくと確信しています。

「社会からゆるぎない信頼を得ている地球貢献企業」となるために、横浜ゴムは今後も、着実な歩みを重ねていきます。その歩みの一端をご紹介した本レポートをどうぞお読みいただき、忌憚のないご意見をお寄せください。

代表取締役社長
野地彦旬

※ユニバーサルデザイン:年齢、性別、身体的状況、知識、経験などの違いに関係なく、すべての人が使うことのできる製品などのデザイン

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