労働安全衛生

KPI

  • 項目

    休業度数率
    (グローバル・直接雇用者)

  • 2014年度実績

    (連結)0.41

  • 2015年度実績

    (連結)0.47

責任部門

各拠点
※活動は各拠点が行い、安全衛生推進室が事務局として中央安全衛生委員会を組織し、全社方針の審議や活動の推進を行っています。

考え方・目標

なぜ「労働安全衛生」が貴社にとっての重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

労働者が安全に安心して働くことができることは、私たちの操業基盤であると考えます。国内外の横浜ゴムグループにおける労働災害は、全産業および製造業の平均発生頻度と比較すると少ない頻度ではありますがゼロではなく、発生原因を分析すると、事前の対策によって防げたものが多くあったと認識しています。当社グループの事業の特性上、生産工場では大型機械を取り扱う必要があるため、設備仕様の不具合や誤操作が大きな事故につながる可能性があり、安全面での対策が必要です。また、長期欠勤者にしめるメンタル関係の割合が増加傾向にあるなど、体だけではなく、心の健康についてもしっかり取り組まなければなりません。そのため当社グループでは、「労働安全衛生」を自社の重要取り組みとして選択しました。

安全衛生管理体制

国内ではCSR本部長が委員長を努める中央安全衛生委員会の下に、事業所ごとに「事業所安全衛生委員会(法定)」を設置し、部門・職場ごとに「部門安全衛生委員会」を組織しています。安全衛生活動は会社、組合に共通する重要な取り組みです。日本ゴム工業会や日本ゴム産業労働組合連合などでの交流を通じて、他社や他労組との安全情報の共有化を図りながら、労使一体となって推進しています。協力会社についてもそれぞれの委員会に参加していただき、活動の共有化を図っています。海外各社は、各国の法律に従って、それぞれに体制を整備しています。なお、安全衛生推進室が国内、海外の安全衛生活動のとりまとめを行っています。

安全衛生管理体制

目指す姿(達成像)/目標

  • 安全で働きやすい職場づくりと健康づくりを推進します。
  • 危険ゼロに向けた安全文化を構築し、労働災害ゼロを目指します。

目指す姿に向けた施策

安全かつ健康に働くことができる職場づくりのため、7つの取り組みを推進していきます。

  1. 設備対策強化
    リスクアセスメントの実施、危険源に身体が入らない/手が届かない設備作り、作業者目線・人の動線を考えた安全対策 
  2. 安全な人づくり
    1対1教育の実施、安全ワーカーの育成、「止める・呼ぶ・待つ」の再徹底と要因対策、KYT(危険予知トレーニング)やヒヤリハット摘出改善活動や体感訓練を通じた危険への感性アップ
  3. 標準作業書整備
    公開作業観察による不安全箇所・不安全行動の洗出と標準作業の見直し 
  4. 心と身体の健康づくり
    メンタルヘルス対策強化(労働時間管理、長時間労働者に対する面談指導や業務改善、傾聴法講習会等のコミュニケーションスキルアップ教育)
  5. 働く環境整備
    化学物質リスクアセスメント、設備の整備や作業方法の改善、5Sの徹底
  6. 交通事故の防止
    人身加害事故ゼロのため、事故防止活動や、通勤経路の危険ポイントの洗い出し等を実施
  7. 安全衛生基盤の確立
    マネージメントシステムの継続とスパイラルアップ(JISHA方式適格OSHMS,OHSAS18001)、階層別教育体系の整備、安全巡視・安全診断・診断フォローによるチェック機能の充実

2015年度の活動レビュー

2015年度、各施策について次のような活動を行いました。

1. 設備対策強化
全ての設備や作業に対しリスクアセスメントを計画的かつ継続的に実施し、設備面からの安全対策を実施しています。特に「危険源に身体が入らない/手が届かない設備」「作業者目線・人の動線を考えた安全対策」に重点をおいて取り組みを行いました。

リスクアセスメント実践研究会

2. 安全な人づくり
危険事象を危険と感じられる感性のある人づくりを目指しています。そのために全員が毎日実践するKYT(危険予知トレーニング)、全員参加で自発的活動であるヒヤリハット摘出改善活動、体感道場の訓練を実施。さらに、監督者が作業者と1対1で向き合って一つ一つの作業の意味を理解しながら、より安全な行動ができて自立するまでコミュニケーションを重視した安全教育を継続して進めました。

  • KYTの様子

  • 海外研修生の体感訓練の様子

3.標準作業書整備
公開作業観察を計画的かつ継続的に実施し、不安全箇所・不安全行動の洗出と標準作業書の整備を進めています。

公開作業観察

4.心と身体の健康作り
「健康つくり委員会」(衛生活動全般にわたる労使取り組み)、その下に衛生活動の個別課題「メンタルヘルス分科会」「健康開発分科会」などを置く形とし、衛生活動を漏れなくカバーする体制を作っています。
出退勤管理システムによる労働時間管理、長時間労働者に対する面談指導や業務改善、傾聴法講習会等のコミュニケーションスキルアップ教育など、メンタルヘルスへの取り組みを行っています。
メンタルヘルス関連の長期欠勤者の復帰に対しては、本人のヒアリングを経て、主治医・産業医・保健師・職場と確認を行い、方法、タイミング、勤務制約などを審議した上で、計画的に復帰をさせています。慈恵医大と連携し世間ではまだ少ないメンタル産業医3人を抱え、本社と平塚で対象者の復職実績がありました。
また、復帰後についても、本人、産業医、職場の三者で定期面談を行い、順々に勤務制約を解き、完全に制約条件がなくなるまでフォローをしています。

5.働く環境整備
作業環境測定による快適な状態に維持するための設備の整備や作業方法の改善、維持管理を進めました。また、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動を基本に、不安全箇所のない必要なものを必要なときに必要なだけ作るモノづくりを推進しています。

6.交通事故防止
各拠点で、地元警察署による交通安全講習会の開催や交通安全関連機関とも協力しながら、啓発活動を行っています。また、横浜ゴム主催で、交通安全評論家による各拠点近隣の小学4年生向けマナー教室を開催し、地域の交通事故防止に貢献しています。

7.安全衛生基盤の確立
国内外15拠点が労働安全衛生マネジメントシステム(JISHA / OSHMS)認証を取得しており、2014年度は5事業所で更新を行いました。
また、2015年4月には、三重工場において中央労働災害防止協会(以下、中災防)初のJISHA方式OSHMSレベルアップ審査を受け、更新することができました。次年度更新予定工場でもレベルアップ審査を計画しています。

JISHA方式OSHMSレベルアップ審査の様子

安全診断の実施状況

労働災害発生頻度は、0.38でした。ゼロ災、更にはリスクゼロを目指し努めていきます。

日本国内の労働災害発生頻度(休業度数率)

数字の説明

※ 休業度数率=(労働災害件数/延べ労働時間)×100万時間
※ データはすべて年集計値(1-12月)
※ 全産業(除く総合工事業)、製造業は構成労働省発表統計表「労働災害動向調査」

  2013年 2014年 2015年
休業度数率 0.59 0.08 0.38
YRC度数率 1.25 0.86 1.30

当社グループでは、横浜ゴム独自の度数率(全度数率)で厳しく管理しています。
横浜ゴム独自の管理基準(YRC度数率):YRC度数率とは、社内で発生した全ての災害を対象としており、休業(1日以上)を1.0、不休を0.3、微傷を0.1の係数として、派遣・請負を含めて算定しています。
それは、休業災害だけではなく、不休災害・微傷災害などを含めた全災害に対して、また横浜ゴムで働く全て方が関わる全災害に対して、対策を取り、再発防止を図ることが、災害ゼロを達成するために必要と考えているからです。

事例紹介

日中安全衛生シンポジウム

2015年2月5~6日に日本国政府(厚生労働省)と中国政府(国家安全生産監督管理総局)が共催する日中安全衛生シンポジウム(北京)に参加しました。このシンポジウムは、3年前から行われている日中間労働衛生技術協力(5カ年計画)の一環で、日中間で共通する安全衛生上の課題をテーマとして、両国からの専門家の出席を得て討議を行い、参加者間で、より専門的、具体的な情報・ノウハウの共有を行い、お互いの安全水準の向上を目指すものです。シンポジウムでは、唯一の民間企業発表者として、YOKOHAMA蘇州タイヤ工場が事例発表を行いました。
日中安全衛生シンポジウム

レベルアップ審査

2015年4月末に、三重工場では安全衛生マネジメントシステムのレベルアップ審査を国内で先駆けて実施しました。

中災防「ゼロ災運動推進感謝状」授与

2015年10月に開催された「全国産業安全衛生大会」にて、三重工場にゼロ災運動推進感謝状が授与されました。
ニュースリリース

全国産業安全衛生大会 安全活動事例報告

2015年10月に名古屋市で開催された第74回「全国産業安全衛生大会」にて横浜ゴム蘇州工場が安全活動事例報告「蘇州工場におけるOSHMS導入と安全衛生活動の発展について」をおこないました。大会唯一の海外事業所の発表としても注目されました。

報告の最後には、全員で指差し呼称を発表者に合わせ中国語でおこないました。

JICA中国職業衛生能力強化プロジェクト研修協力

中災防支援の下、中国政府安全衛生関連機関に対する安全衛生活動の紹介を三重工場で実施。これは、2014年11月の中国OSHMS交流会開催(蘇州工場)、2015年2月の日中安全衛生シンポジウム(北京)参加を経て実現したもので、安全衛生活動による社会連携の一環でもあります。

課題と今後の改善策

旧設備などに散見される宿痾(しゅくあ)的課題も残っており、その対策にも目をそらすことなく取り組んでいきます。また、近年、重要性が増しているメンタルヘルスへの取り組みをさらに強化していきます。