サプライヤーの環境評価

KPI

  • 項目

    環境影響評価を行ったうえで、取引を開始した新規サプライヤーの割合

  • 2014年度実績

    100%(74社)

  • 2015年度実績

    100%(162社)

責任部門

グローバル調達本部 原料調達部 資材調達部

考え方・目標

なぜ「サプライヤーの環境評価」が重要取り組み項目なのか
理由と背景の解説

横浜ゴムグループの主要製品に使われる原材料は、各種合成ゴムをはじめ石油化学製品(化学品)が多く、その製造過程では、環境汚染や、地域住民の生活にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、サプライヤーの操業停止につながる場合もあるため原料の安定的な調達という観点、倫理的な観点から、「サプライヤーの環境評価」を重要な取り組み項目として選択しました。

新規取引開始時の環境影響評価

新規の原材料を採用する際には、その材料が各種規制に適合しているかどうかを確認し、サプライヤーから、その証拠となる書類の提出を要請しています。

  1. 品質管理調査書
  2. 原料規格
  3. 入荷原料の検査成績表
  4. Safety Data Sheet (SDS) (対象原料は、SDSが適用されるゴム配合剤をはじめとする化学品)
  5. 特定有害化学物質含有調査表
  6. 欧州ELV指令禁止物質の非含有宣言書
  7. 欧州ELV指令禁止物質の非含有を証明するデータ
  8. 重金属4物質含有調査表

また、グリーン調達ガイドラインを発行し、横浜ゴムグループの「グリーン調達方針」および購入先へのお願い事項を提示して、ご理解をいただいています。

※SDS:安全データシートは、化学物質又はそれを含有する製品(化学品)を譲渡・提供する際に、その化学品の特性・取扱いに関する情報提供を行うための国際標準の書式

※欧州ELV指令:EUで使用済み自動車が環境に与える負荷を低減するための指令

サプライチェーンにおける環境影響評価

取引先には、CSRセルフチェックをお願いしており、その中で、環境マネジメントシステムをはじめ、環境負荷物質、温室効果ガスなどについて自己評価を報告していただいています。

CSRセルフチェックシート(抜粋)
分類 項目 質問
供給
責任
品質
  • クレーム発生頻度
  • クレーム時の対応
  • 再発防止
  • 納入した商品で品質上の問題や間違いが発生しましたか
  • 問題が発生した時の対応は迅速でしたか
  • 不良品の発生防止、間違い防止の策は常に講じられていますか
社会的
責任
環境
  • 有害物質含有調査、遵守への対応
  • 3R推進、公害防止、環境保護
  • 製品における有害物質の有無の把握はなされていますか
  • リサイクル、公害発生防止、環境保護への配慮はなされていますか
安全
  • 当社内での労災、事故の発生
  • 取引先での労災、事故の発生
  • 当社内での作業や交通において災害、事故発生はありましたか
  • 貴社内での作業や交通において災害、事故発生はありましたか
コンプライアンス
  • 下請法他の遵守、パワハラ等の無い職場
  • 機密情報、個人情報等の管理
  • 法の遵守はなされていますか。パワハラ、セクハラ等はありませんか
  • 当社の機密情報や貴社内の個人情報は管理されていますか
CSR
  • 地域活動への参加、地域貢献
  • 地域活動への参加、ボランティア活動への参加状況は

著しい環境影響があると判断したサプライヤーへの対策

これまでのところ、そういう事例はありませんが、もしあれば、取引先工場と改善すべきポイント、原因や改善施策について直接協議し、実行します。改善がみられない、虚偽報告など悪質な場合は取引を停止します。

目指す姿(達成像)/目標

2017年度までに、すべての1次取引先についてセルフチェックを完了し、主要取引先への訪問監査を実施します。将来的には、第三者視点によるチェックも必要に応じて取り組むべきだと考えています。

目指す姿に向けた施策

横浜ゴムグループ国内外拠点の調達担当者への勉強会はほぼ終了しました。海外拠点の購買担当者についても、グローバル調達会議を通じて、教育を実施し、購買行動規範の周知徹底と、取引先へ依頼するセルフチェックに関する監査員を養成していきます。
また、国内の取引先を対象に勉強会を開催して、環境を含む取引先への依頼事項について横浜ゴムグループの方針をお伝えし、セルフチェックおよび訪問監査への理解を呼び掛けてきており、今後はさらに対象を拡大して普及に努めていきます。

2015年度の活動レビュー

  • 日本国内新規発注先162社すべてにおいて、環境影響を及ぼすサプライヤーはありませんでした。
  • CSR勉強会を開催し、317社368名の取引先が参加しました。
  • 調達部門全員がコンプライアンス教育を受講しています。

CSR取引先勉強会参加社数(目標:90%以上)

  対象社数(社) 参加社数(社) 参加率(%)
2013年度 329 298 90.6
2014年度 331 299 90.3
2015年度 351 317 90.3

※対象:一定取引のある中小企業

グリーン調達

横浜ゴムは、取引先と協力して、森林資源保護、地球温暖化抑制、リサイクル原料の使用、非石油原料の拡大をメイン課題として、環境に貢献する原材料の開発とその使用に取り組んでいます。
また、「YOKOHAMAグリーン調達ガイドライン」に基づく、調達品の管理を実施しています。全ての取引先に対して、SOC(環境負荷物質)含有有無の確認と非含有宣言書の提出をお願いしています。

輸送に伴うCO2排出量の削減(現地調達化の推進)

中国の工場において、現地調達化を大きく推進しました。また、北米の工場でも、日本から輸出していた原料を現地調達品に切り替えることができました。
さらに、ロシアの工場でも、ロシア産原料の採用を進めています(2013年度は26%、2014年度は48%)。

ロシアの現地調達率の推移

ロシアの現地調達率推移

中国の現地調達率の推移

蘇州工場の現地調達率推移

杭州工場の現地調達率推移

YOKOHAMAグリーン調達ガイドライン

製品含有化学物質管理の入り口管理として、取引先には当社の「グリーン調達ガイドライン」に沿った環境保全の取り組みと調達品の管理をお願いしています。
また、「グリーン調達方針」に基づき、環境負荷基準に沿った原材料・外注品・副資材・設備を購入しています。
英語版の改正版を作成し、海外事業所への展開を行っています。

グリーン調達方針

地球環境に優しい、クリーンで安全な原材料、部品、包装材等を調達します。

  1. 調達品購入に当たっては、サプライヤー各社の環境マメジメントシステムの導入運用状況を判断基準にします。
  2. 環境負荷物質含有防止の徹底を図ります。
  3. 環境配慮型用品の購入を促進します(グリーン購入)。
  4. 廃棄物を削減します。

具体的には、(1)環境マネジメントシステムの取得状況、(2)環境保全への取り組み状況、(3)環境負荷物質(SOC)管理体制を確認し、また取引製品に対する要求として (1)環境負荷物質(SOC)含有調査票、(2)非含有宣言書などの提出をお願いしています。 参考として、環境負荷物質(SOC)含有調査票のイメージ例を示します。

環境負荷物質(SOC)含有調査票のイメージ例

タイでの「CSR認定農園」育成プロジェクト

タイの天然ゴム加工会社(Y.T. Rubber Co., Ltd.)は、ソンクラ大学のSara教授の提唱するアグロフォレストリー農園に賛同し、その手法を近隣の農家や従業員の家族(ゴム農園を所有)にこの手法を紹介し、効果を検証する取り組みを始めています。

Sara教授のアグロフォレストリー農法の理論
  • 天然ゴムの木の列の間にほかの樹木を植えて以下の相乗効果を得る。
  • ほかの樹木による天然ゴムの生長促進や収量拡大・寿命延長、化学肥料の使用量削減の効果
  • ほかの樹木自体からの収穫、果物・竹・木材として、農家の収入を増加
  • 従来のゴム単体の農園に比べて、本来の自然林に近い状態を維持

当社では、千年の杜活動で苗木の育成を行っています。そこで、Sara教授のアドバイスを受けて、農家の目的に合った樹木の苗木を提供し、アグロフォレストリー農法が、農家にとってメリットがあるか確認しています。また、この農法に関心のあるゴム農園主の問い合わせに対しては、当社が窓口となり、展開しています。

また、スラタニ県のゴム行政関係者(ORRAF)とも情報交換する段階まで進んでいます。

将来、自然との共生の視点から、天然ゴムは「CSR認証」が求められる天然資源となると思われます。天然ゴム農家や近隣住民を定期的に訪問することで、関係を強化しつつ、労働環境などの課題に対する相談・支援を行います。その結果、当社の「CSR認定農園」として、強制・児童労働などのない持続的な生産活動と安定調達につなげていきます。

課題と今後の改善策

事業展開の拡大に伴い、取引先の数も急増しているため、環境影響を含む取引先情報についてのデータベースの構築が急務です。
また、取引先におけるセルフチェックを高いレベルで均一化させることを課題と認識し、勉強会の実施回数、実施拠点を増やしていきます。上記を速やかに実施していくためにも、横浜ゴムグループ国内外拠点の調達担当者のさらなるレベルアップを目指す必要があると認識しています。