役に立つ基礎知識 Useful basic knowledge Back Number
第1回
ゴムとはどんな物質か −ゴムってな〜に!−
「ゴムは奇妙な物質である」とは著名な物理学者、久保亮五先生の著書「ゴム弾性」の冒頭の文である。 確かにゴムが示す力学的特性は、コロンブスならずとも奇妙なものであった。
_「日本ゴム協会編、新版 ゴム技術の基礎」より引用 _
本技術講座では、この奇妙な「ゴム」に興味を持たれる方々に、少しでも「ゴム」の技術を理解する助けにして頂くため、数回にわたり基礎的な事項を説明していきます。
第一回目と次回では、「ゴムとはどんな物質か」と題し、ゴムの特徴について説明いたします。
1 ゴムとはどんな物質か
1) ゴムの特徴とは何だろうか?
現在、ゴム製品はいろいろな物に使われていますが、改めて「ゴムとはどんな物質か」と問いかけてみると、いろいろな答えが帰ってきます。
そこで、ゴムの特長について考えてみますと,「弾力があることだ」「良く伸びる物質だ」「空気を通さない」「水を通さない」等いろいろとありますが,整理しますと第1図にごとく「3つの特性」を持っている物質と言うことが分ります。
 
< 第1図 > 「ゴムらしい」三つの特性
< 第1図 >
1) 柔らかい
(石や鉄、ガラスなどに比べて)
2) 大きく変形しても壊れない
(石や鉄、ガラスなどに比べて、例えば折り曲げても)
3) かなり大きく変形しても、力を抜くと元へ戻る
(例えば強く折り曲げても)
まず(1)の「柔らかい」はゴムの特長ではあるが、それだけではゴムとは言えない。
「柔らかく」「かなり曲げても、伸ばしても壊れない」という(1)と(2)の条件を満たしている物質として粘土細工の材料などがあるが、これもゴムらしいとは言えない。
手をはなすともとへ戻るという(3)の性質がゴムらしいという必要な条件である。
たとえば、断面積、長さなど形がまったく同じゴムの捧と、アルミニウムの捧があるとする。ゴムの棒に錘をつり下げ、その長さが約1mくらい伸びたとする。同じ錘をアルミニウムの捧につり下げると約0.1mmくらいしか伸びない。もちろんゴムやアルミニウム自身の重さは考えず、アルミニウムの伸びはその全体の長さに比べて十分小さく、ゴムがいかに柔らかいかが分る。これが(1)の性質「同じ荷重で、よく伸びる」である。

次に、ゴムを切れるまで引張ったとすると、元の長さの数倍まで伸ばしてはじめて切れるが、ガラスでは0.03倍くらいで壊れてしまう。これが(2)の性質「破断伸びが大きい」である。

更に、鉄などはほんの少し引張った時は手を離すと元へ戻るが、あまり伸ばすと元に戻らなくなる。この限界は元の長さの1%ぐらいである。これに対し、ゴムは元の長さの数倍、即ち100%以上伸ばしても元へ戻る。これはゴム輪などからも良く分る。これが(3)の性質「弾性限界の伸びが大きい」である。
各種物質のヤング率
単位:GPa(ギガパスカル)
鋼鉄 約200
鋳鉄 100〜130
アルミニウム 約70
ガラス 50〜80
樫の木 13
ゴム 0.003〜0.008
< 第2図 >
< 第3図 > 固体状でありながら非常に柔らかい!
< 第3図 >
このように、ゴムは各種固体物質の中で極めて柔らかいという性質を持っている。
具体的な数字で上の性質を示すと、第2図及び第3図に示す各物質の「ヤング率」の通りである。
この「ヤング率」とは、引っ張る力と伸びの比率である。
また、ゴムに変わり得る固体物質は他になく、このような物質の状態を表すのにゴム弾性という言葉を用いる場合もある。
ヤング率 とは!!
理想的な材料を引っ張り変形させる場合、応力がひずみに比例することが知られている。(Hookeの法則)
応力(σ)−ひずみ(ε)関係式を σ = E ε
で表すとき、係数Eを「ヤング率」または「(縦)弾性係数」という。
一般の材料の場合は、応力とひずみが必ずしも比例しないが、ε=0における接線の傾きを「ヤング率」として扱う
ページ単独表示(印刷用) PAGE TOP
TOP PAGE | 横浜ゴムTOP | MB部門TOP Copyright (c) 2001 The Yokohama RubberCo.,Ltd. All Rights Reserved.